FileMakerPro

生成AIを活用した分析を行う場合、通常は「チャット画面」でやりとりします。
しかし、大量の処理をしたい場合に、チャット画面は不向きです。

そんな場合に、ClaudeやGeminiに質問すると、Pythonでスクリプトを書いたり、Linuxのデータベースを経由する方法が推奨されますが、どれもハードルが高い。
そこで検討したのが、FileMakerでした。FileMakerは、カード型データベースから発展したもので、ユーザーフレンドリーです。2024年以降AI機能を積極的に開発・搭載しているということは知っていたのですが、LM StudioでローカルLLMをAPI経由で利用できるようになって、これを試すのに使えるのではないかと思い、取り組んでみました。
ですが、初期に発表されたローカルLLMは、実務に利用できるような性能ではなく、放置していました。

転機になったのは、2025年8月にOpenAI社がオープンソースモデルを発表したことでした。興味津々で120BモデルをLM Studioに入れてみたら、さすがに賢い。それまでの小さいLLMとは一線を画す性能で、無料で商用利用できて、オンプレミスで動作するわけで、これは法律業務で利用しない手はない、と考えるようになりました。

はじめに取り組んだのは、ワードやエクセルのマクロに組み込むことでした。ChatGPTやGeminiに教えてもらいながら、割とすぐ、LM Studioを呼び出して、指定範囲を要約したり、箇条書きにしたり、翻訳したり、校正したり、といったことができるマクロが作成できました。エクセルの関数に生成AIを組み込むこともできました。ところが、できあがったMac版ワードマクロは、すぐに動かなくなり、ワードの再起動が必要になるのです。人工知能は、「VBAの仕様なので、仕方がない」といいます。残念ながら、せっかく作ったワードマクロもあまり使わなくなっていきました。

FileMakerの方でも、ChatGPTやGeminiに教えてもらいながらスクリプトを書いていましたが、はじめのころは失敗を繰り返しました。データに含まれるノイズとjsonをどう折り合わせるか、人工知能にも難しかったようです。ある日ふと、FileMakerPro2025で用意されたAI関数を利用してみようと思い立ち、使ってみたら、なんということもなくjson問題を回避でき、120BクラスのLLMでも安定的にLM Studioから結果を返してきました。人工知能たちも、FileMakerProが用意した最新のAI関数までは知らなくて、ずいぶんと遠回りをしたと思います。FileMakerProには、RAGやベクトル検索、セマンティック検索のための機能が多数搭載されています。これでやっと、生成AIを活用できそうな環境が整ったのです。

これで何をするかといえば、外に出せない大量データの分析です。その筆頭がメールと会議録でしょう。
録音データなんて、昔は聞くだけで大変でしたが、今は簡単に文字起こしできます。そして人工知能で、それを分析させることができます。
メールも同様で、大量のデータを読んで整理するのも、いまや難しくなくなりました。プライベートなメールでさえ、オンプレミスのLLMで分析可能になったのです。
近い将来、写真や動画のプライベートなデータも、オンプレミスで分析できるようになるでしょう。

そして、法律業務で不可欠なのは、大量の裁判例と条文、そして文献のデータです。これらは現にデータベース化されて、生成AIを使った検索が可能なサービスが提供されています。とはいえ、商用データベースでは、利用者が搭載するデータを選べないですし、検索した結果の活用の仕方も限られます。もっと自由に、結果を自由に加工したり、自分の専門領域の凝ったデータベースを作りたいのなら、自分専用の人工知能データベースが必要になる。今現在、そのツールとして、FileMakerProが有力な選択肢かなと思っています。

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